icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科23巻1号

1995年01月発行

文献概要

研究

SEPモニター下でのTemporary Occlusionを用いた脳動脈瘤手術

著者: 佐古和廣13 中井啓文1 滝澤克己1 徳光直樹1 佐藤正夫1 加藤光宏2

所属機関: 1名寄市立総合病院脳神経外科 2名寄市立総合病院検査部 3旭川医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.35 - P.41

文献購入ページに移動
I.はじめに
 脳動脈瘤の手術手技はほぼ確立されていると考えられるが,最近報告されたInternational Cooperative Studyの結果では,全手術例の32.1%が死亡ないし何らかの障害を残している8,9).クモ膜下出血そのものによる脳の障害と血管攣縮がmortality,morbidityの主たる原因であるが,手術に伴う合併症もmorbidityの14%を占めており改善の余地がある.
 手術時の合併症の重要なものの一つとして術中破裂が挙げられる.術中破裂時のmortality,morbidityの高さについてはすで報告されている2).術中破裂の予防として全身低血圧は一つの方法であるが,全脳虚血の問題がある.一方temporary occlusionは動脈瘤内圧を減少させ,動脈瘤の剥離を容易にし,また脳虚血も親動脈の支配領域に限局するという利点がある.temporary occlu—sion中の脳虚血の程度をSEPモニターにて管理することにより不可逆的脳虚血を避けることができることについてはすでにいくつかの報告がある3,6,7,10,13,14,16-18).われわれは通常の脳動脈瘤の手術においてもSEPモニター下にtemporary occlusionを用いることにより,安全かつ確実にclippingを遂行することを方針としているが,今回その経験をまとめたので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら