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研究
重症小脳梗塞に対する外科的減圧術
著者: 小笠原邦昭1 甲州啓二1 長嶺義秀1 藤原悟1 溝井和夫2 吉本高志2
所属機関: 1広南病院脳神経外科 2東北大学脳神経外科
ページ範囲:P.43 - P.48
文献購入ページに移動小脳梗塞急性期の治療としては,梗塞巣の進展防止および全身管理などの保存的治療が中心となる.また,梗塞に伴う脳浮腫に対してはマンニトール,ステロイド,バルビッレート等の抗浮腫剤の投与が行われている9).しかし,脳浮腫が広範になると,閉塞性水頭症をきたしさらには脳幹部を圧迫し,急激な意識レベルの低下をきたす場合がある.このような症例に対して,外科的減圧術が著効を示しかなりの率で救命できることが知られている2-4,6-8,11-13,15-19,22,23).しかし外科的減圧術の適応基準や治療成績,特に運動機能に関するlong-term out—comeのまとまった報告はほとんどない.今回われわれは,脳室ドレナージ術および後頭下減圧開頭術を施行した重症小脳梗塞10例の急性期の臨床経過および長期経過後の転帰について検討したので報告する.
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