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症例
VAB−6療法が有効であった頭蓋内卵黄嚢腫の6歳男児例
著者: 和田英男13 久保実1 和田泰三1 上野康尚1 堀田成紀1 大木徹郎1 宗本滋2 黒田英一2 田口博基2 村松直樹2
所属機関: 1石川県立中央病院小児内科 2石川県立中央病院脳神経外科 3金沢大学医学部附属病院小児科
ページ範囲:P.65 - P.68
文献購入ページに移動本邦における小児の頭蓋内胚細胞腫瘍(Germ Cell Tumors,GCTs)は,小児脳腫瘍の約10%を占め,欧米に比較して数倍多いと言われている.その中でも胎児蛋白であるα—fetoprotein(AFP)を産生するYolk Sac Tumorは最も悪性の性格を示し,従来は放射線治療が第一選択として行われてきたが,予後不良で殆どが1年以内に再発している.
しかし,近年小児の睾丸・卵巣領域のnonseminoma—tous GCTsに対してCisplatin(CDDP),Vinblastine(VBL),Bleomycin(BLM)を含むPVB療法8),さらにこれら三剤にActinomycin D(AMD),Cyclophospha—mide(CPM)を加えたVAB−6療法2,6)(Table 1)の有効性が報告され,頭蓋内GCTsに対しても試みられている1,4,7,12).
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