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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科23巻10号

1995年10月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

Petrosal approachによるSTA-SCA吻合術

著者: 伊藤守1 木下章2 早川徹2

所属機関: 1寺元記念病院脳神経外科 2大阪大学脳神経外科

ページ範囲:P.869 - P.874

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I.はじめに
 椎骨脳底動脈系の虚血性病変に対する外科的治療法にはSTA-SCA吻合術3),STA-PCA吻合術18),OA—PICA吻合術11)が報告されている.その有効性についてはいまだ最終結論は出されていないものの,後頭蓋窩虚血性病変は血行動態的な要素が強いことなど外科的治療の有用性を示唆するデーターは多い8).しかしながら手術手技が困難なことが有効性の評価以前に障害となっていることは否めない.これら血行再建術には熟練した脳神経外科医が種々工夫を重ね,成績を向上させる努力が払われている.とりわけSTA-SCA吻合術には利点が多く多用されているが,側頭葉圧排による障害が完全に解決したとは言いがたい.本稿で述べるアプローチの利点を利用すれば側頭葉損傷のリスクを軽減でき,しかも更に手術手技を容易にでき,椎骨動脈系への血行再建術を普及できるものと考える.どのような手術でも手術を成功させるためには正しい適応とともにアプローチの工夫ならびにテクニックがそろうことが必要である.本稿の主旨よりSTA-SCA吻合術に関するアプローチとテクニックについて解剖学的考察を含めて詳述する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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