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研究
頸椎単一椎間板ヘルニア例における高位別上肢神経症状—脊髄症の神経学的責任椎間板高位診断
著者: 山崎義矩1 橘滋国1 矢田賢三1
所属機関: 1北里大学脳神経外科
ページ範囲:P.875 - P.880
文献購入ページに移動近年の画像診断の進歩により頸椎椎間板ヘルニアの診断は容易となった.しかし,画像上多発病変を有する症例も少なくなく,画像所見のみから臨床神経症状に直接関与している責任椎間板高位を確定することは必ずしも容易ではない.さらに,頸椎椎間板ヘルニアに起因する上肢神経症状には神経根の障害症状である神経根症(radiculopathy)と脊髄の髄節性障害症状である脊髄症(myetopathy)という異なる病態が存在する.脊髄症状を伴わず神経根症のみを呈する症例の神経学的責任椎間板高位診断は比較的容易であるが8),脊髄症を呈する症例の場合には困難であるという意見が多い9,13,15).手術に際し,侵襲を最小限にするためには除圧部位を臨床神経症状の責任病巣のみに限定する必要があり,このためには神経所見からの責任椎間板高位診断は不可欠である.
脊髄症を呈する症例の神経学的責任椎間板高位診断を可能にするためには各椎間高位で脊髄が圧迫された場合に出現する上肢神経症状を明確にする必要があると考え,以下の検討を行った.
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