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研究
脳血管攣縮に対する塩酸パパベリン動注療法
著者: 木下泰伸1 寺田友昭1 中村善也1 中井易二1 中井國雄1 板倉徹1 仲寛2 中大輔2 竹原理恵2 今井治通2 辻直樹2 木戸拓平2 垣下浩二3 兵谷源八3 栗山剛3
所属機関: 1和歌山県立医科大学脳神経外科 2和歌山労災病院脳神経外科 3和歌山赤十字病院脳神経外科
ページ範囲:P.881 - P.887
文献購入ページに移動くも膜下出血後の脳血管攣縮に対する治療は,早期手術による血腫除去,術中術後の脳槽洗浄5),Ca拮抗剤の投与25),hypervolemic hypertensive therapyc27)が一般的である.上記の治療で対処できない症候性脳血管攣縮に対して当施設では1989年以来percutaneous translu—minal angioplasty(以下PTAと略す)を行い良好な結果を得てきた22,29).しかし前大脳動脈領域や中大脳動脈末梢の血管攣縮ではバルーン挿入が困難であったり,血管破裂の危険性9,16)のためPTA困難な例も多い.この問題を解決する治療法として最近,塩酸パパベリンの選択的動注療法(以下パパベリン動注と略す)が報告され11,12),簡便な治療法でもあり,われわれも第一選択で施行してきた.本稿ではわれわれのパパベリン動注の結果を報告し,従来のPTAとの比較からその効果と問題点について考察した.
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