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症例
Cortical venous drainageを有する頸動脈海綿静脈洞瘻に対する治療前後の1H-MRSによる評価
著者: 宇野昌明1 佐藤浩一1 上田伸1 松本圭蔵1 原田雅史2
所属機関: 1徳島大学脳神経外科 2徳島大学放射線科
ページ範囲:P.927 - P.933
文献購入ページに移動頸動脈海綿静脈洞瘻(以下CCFと略す)は特発性と外傷性のものに分類できるが,いずれの原因にせよ,動静脈瘻の流出経路がsylvian veinなどを経由して脳表の静脈まで逆流する症例,すなわちcortical venous drain—ageを有する症例は少ない.このような症例は,くも膜下出血や,脳出血,静脈性梗塞による重篤な症状を起こしやすく,またそれに至らないまでも,脳循環不全による脳代謝障害を起こしやすい5,6).
脳代謝の状態を無侵襲に測定できる方法として,近年magnetic resonance spectroscopy(以下MRSと略す)が臨床に応用されている2-4).今回われわれは,CCFによりcortical venous drainageを認めた2症例に対し,塞栓術ならびに放射線療法を施行し,治療前後でprotonMRS(以下1H-MRS)で,脳代謝の状態を経時的に検討したので報告する.
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