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研究
アドリアマイシンを用いた神経ブロック療法
著者: 斉木雅章1 近藤明悳13 絹田祐司1 岩崎孝一1 小畑仁司1 長谷川浩一1 沈正樹1 中野伊知郎1 山本悌司2
所属機関: 1北野病院神経センター脳神経外科 2福島医科大学神経内科 3北野病院脳神経外科
ページ範囲:P.125 - P.130
文献購入ページに移動帯状ヘルペス後神経痛や眼瞼けいれん等は古くより難治性として知られている疾患であり,神経減圧術が効を奏する三叉神経痛や顔面けいれんなどと異なり現在まで有効な治療法は確立されていない.
一方,抗腫瘍薬として広く知られているadriamycin(以下ADM)はDNA依存性のRNA合成を阻害するため,これを神経線維に注人すると薬剤がretrograde ax—oplasmic transportにより神経核に取り込まれ,その神経細胞をdegenerationに陥らせることが実験的に証明されている2,9).そこでわれわれは,帯状ヘルペス後神経痛や眼瞼けいれんなどの疾患に対する治療を目的として,このADMによる神経細胞変性作用を臨床的に応用した神経ブロック療法(chemical rhizotomy)を施行したので,その結果と用性について報告する.
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