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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科23巻3号

1995年03月発行

文献概要

研究

Optico-hypothalamic Glioma 16症例の臨床病理学的検討

著者: 新田泰三1 佐藤潔1

所属機関: 1順天堂大学脳脳神経外科

ページ範囲:P.217 - P.222

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I.はじめに
 視神経路(視神経,視交叉,視索)および視床下部に発生するoptico-hypothalamic gliomaは,10歳以下の幼小児に好発する視力障害を主訴とし,組織学的には良性のpilocytic astrocytomaであることはよく知られている1,17,26).発生頻度は小児脳腫瘍の0.5から5%と言われ,10万人に1人の発生が報告されている19).臨床上の特徴は,神経線維腫症1(neurofibromatosis−1:NF—1)の合併が20-30%に認められることである3).このoptico-hypothalamic gliomaは真の腫瘍ではなく過誤腫(hamartoma)とする学説もかつては出されているが,約5%の症例で再発および悪性変化を示す例もあり,現在は病理学的にグリオーマとみなされている9,15).治療面では,外科切除および放射線療法を行うことで予後は良好で,日本脳腫瘍統計でみると5年生存率は約80%であ23).しかし,治療後10年以上経過して,glioblas—tomaへの悪性変化を示す症例も存在し,Collinsの法則には当てはまらない脳腫瘍と考えられる1,29).また,視交叉より後方で,視床下部に主座をおき,視力障害は軽度で視床下部症状(尿崩症,肥満,情動障害)を呈する後方進展型においては,発症年齢も高く且つ予後不良例も少なからず存在する16,24,28).そこでoptico-hypothala-mic gliomaの臨床像を仔細に検討することは治療を考える上で重要であると思われる.本稿ではCTが導入されて,腫瘍の局在が明らかとなり,1例を除いて病理組織学的にoptico-hypothalamic gliomaと診断された16症例を対象に長期観察を行い予後に影響を与える因子の検討を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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