文献詳細
文献概要
研究
小脳橋角部腫瘍により発症した三叉神経痛45例の検討—その発生機序
著者: 長谷川浩一12 近藤明悳1 絹田祐治1 田辺英紀1 川上雅久1 松浦伸樹1 沈正樹1 斉木雅章1
所属機関: 1北野病院神経センター脳神経外科 2三重大学脳神経外科
ページ範囲:P.315 - P.320
文献購入ページに移動1934年Dandyは,三叉神経痛に対するposterior fos—sa rhizotomyを行う際,これを圧迫している血管を認めた事実を報告し,さらに1959年Gardnerはこの所見に基づいて三叉神経を圧迫している動脈を神経より遊離することにより神経を減圧し,三叉神経痛を治癒せしめる手術法をはじめて報告した2,4).これらの先駆的な治療法を踏まえて,Jannettaは1967年頃から手術用顕微鏡下に,三叉神経のObersteiner-Redlich zoneよりこれを圧迫している血管をmicrosurgicalに遊離する,いわゆるmicrovascular decompression surgeryの方法を確立し普及せしめた7-9).
一方Dandyは彼のposterior fossa explorationの症例中に脳腫瘍の神経圧迫による神経痛発生例を認め,以来これについても多くの症例の報告がある1,10,14).さらに近年CT,MRI等の画像診断法の進歩により,症状発生原因として腫瘍が関与している症例はより多く発見されるようになってきた.
掲載誌情報