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症例
上位頸髄損傷による中枢性呼吸不全に対する横隔膜ペーシングの試み
著者: 新納正毅1 下本地優1 朝倉哲彦1 門田紘輝1 岡原一徳1 児玉晋一1 笠毛静也1
所属機関: 1鹿児島大学脳神経外科
ページ範囲:P.343 - P.347
文献購入ページに移動上位頸髄損傷による中枢性呼吸麻痺に対しては人工呼吸器による持続陽圧呼吸管理が必要であるが,意識清明であるにもかかわらず患者は臥床状態を余儀なくされ,rehabilitationや自宅療養を行うに際して大きな関門となる.1966年Glennらにより開発され3),欧米では臨床報告も多い1,3-5)横隔膜ペーシング法は横隔神経を電気的に刺激し横隔膜を収縮させることにより,より生理的な陰圧呼吸を可能にした.本症例のような中枢性呼吸麻痺に対しては画期的な治療法であるが,その一方,幾つかの問題点を伴うことも知られている.私どもは環軸椎脱臼術後中枢性呼吸麻痺に対して横隔膜ペーシングによる長期呼吸管理を試みたので,その有用性ならびに問題点等につき文献的考察を加えて報告する.
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