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研究
Parkinson病に対する視床破壊術後の認知機能とADL
著者: 前島伸一郎1 中井國雄1 中井易二1 上松右二1 尾崎文教1 寺田友昭1 中北和夫1 板倉徹1 駒井則彦1
所属機関: 1和歌山県立医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.417 - P.421
文献購入ページに移動Parkinson病に対する外科的治療23)は,1970年代までは頻繁に行われたが,L-dopa療法2)の確立に伴ない次第に減少した2).一方,L-dopaの長期投与による副作用の問題や薬物療法に難渋する症例も少なからず存在し,このような症例に対しては,定位脳手術は有益な治療法である.さらに,近年では優れたCT/MRI誘導定位脳手術装置の開発でより安全に手術が行われるようになった15).さて,重度の振戦を有するParkinson病患者では,寡動や固縮が軽度にもかかわらず日常生活が制約されることが多い.これらの振戦患者に対し,定位的視床破壊術が行われているが,破壊術による視床への影響としての認知機能の変化を検討したものは少なく,また日常生活活動(ADL)に及ぼす効果についての検討は十分とは言い難い.今回,われわれは視床破壊術前後の神経心理学的症状とADLについて検討を行った.
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