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症例
右側頭後頭葉皮質下出血にて生じた健忘症候群
著者: 中大輔12 前島伸一郎2 竹原理恵1 仲寛1 辻直樹1 今井治通1 木戸拓平1
所属機関: 1和歌山労災病院脳神経外科 2和歌山県立医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.439 - P.443
文献購入ページに移動健忘を中核症状とする病態は健忘症候群と呼ばれ,遠隔記憶や瞬時記憶は保たれるが,記銘力障害のため近時記憶が選択的に障害されるといわれている.また健忘は痴呆性疾患の主要症候の1つでもあり,脳血管障害に伴うものの頻度が高い.しかし,学習記憶障害だけでなく,自分自身の生活史すら忘れるなどの生活記憶障害も認められることが特徴である3).
脳血管障害に起因する健忘症候群の報告は数多く見受けられるが,大部分が脳梗塞症例であり,脳出血症例の報告はきわめて少ない.
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