icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科23巻6号

1995年06月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

優位半球側脳室三角部AVMへの側頭葉下面よりのアプローチ

著者: 宮本享1 菊池晴彦1 永田泉1

所属機関: 1京都大学脳神経外科

ページ範囲:P.485 - P.490

文献購入ページに移動
I.はじめに
 側脳室三角部に存在する脳動静脈奇形(AVM)はtri—gonal,,medial temporal,parasplenial,juxtapeduncularその他種々の呼称により記載されてきた1,4,7-9).しかしながらYaşargilが述べているように,その病変の部位や広がり,周囲との関係などを術前に正確に認識するということは画像診断の発達した現在においても案外難しい.Mediobasal AVMはamygdala,及びanterior,middle,posterior hippocampalの4群に分けて記載されており9),本稿で記載すべき側頭葉下面からのアプローチの対象となるのはこのうちposterior hippocampal AVMということになろう.この部のAVMは前脈絡叢動脈,外側後脈絡叢動脈などをfeederとし側頭葉下面から側脳室側頭角や脈絡裂を利用して到達するものであるが,病変の主座がやや後方に位置するものは後大脳動脈のP3,P4 segmentからのfeederをうけるいわゆるparasplenial AVMとなりinterhemispheric approachの対象となってしまう.feeding/draining patternやMRIにより病変の主座を把握し最適のアプローチをとるためにはこれらの部位の解剖の理解が基礎となる.以下に局所解剖をもとにposterior hippocampal AVMに対するlaterobasal approachについて述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?