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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科23巻6号

1995年06月発行

文献概要

症例

上顎癌術後に生じた外傷性海綿静脈洞部動脈瘤の1例

著者: 佐藤光夫13 山口克彦1 唯木享2 佐藤勇2 児玉南海雄3

所属機関: 1太田西ノ内病院脳神経外科 2太田西ノ内病院耳鼻咽喉科 3福島県立医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.515 - P.519

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I.はじめに
 外傷性脳動脈瘤の頻度は全脳動脈瘤の0.5%以下とされ1),日常診療において遭遇することは比較的稀である.その大部分は種々の閉鎖性あるいは開放性頭部外傷後に二次的に発生するが,なかでも手術時の脳血管損傷によるものは少ない7)
 最近われわれは上顎癌の術後に生じたと考えられる外傷性海綿静脈洞部動脈瘤(traumatic carotid-cavernous aneurysm,以下TCCAと略す)の破裂により反復性大量鼻出血を来した症例に対し,脳外科的処置で出血を止めたものの,メチシリン耐性黄色ぶどう球菌(MRSA)敗血症を併発し不幸な転帰をとった1例を経験したので,治療上の問題点を中心に文献的考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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