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総説
アポトーシスの分子機構と神経疾患
著者: 白石哲也1 田渕和雄1
所属機関: 1佐賀医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.563 - P.574
文献購入ページに移動I.はじめに
自然科学においては新しい概念の導入によってある領域の研究が一気に進展することがある.細胞生物学ではこれまで生命現象を主に細胞の生存および増殖の観点から探ってきた.つまりこれまで細胞死は無秩序な現象と思われ,重要な研究対象とはなり得なかった.ところがアポトーシス(apoptosis)という新しい概念による細胞死が遺伝子によって巧妙に制御されていることが明らかになるにつれて,この分野の研究が爆発的に進展し,発生,分化および老化のみならずウイルス感染,自己免疫疾患,変性疾患あるいは癌など多くの疾患にアポトーシスが関与していることが明らかにされてきた.
本稿では現時点におけるアポトーシスの概念とその分子機構の概略を紹介した後,神経疾患におけるアポトーシスの関与を著者らの研究結果を交えて概説する.
自然科学においては新しい概念の導入によってある領域の研究が一気に進展することがある.細胞生物学ではこれまで生命現象を主に細胞の生存および増殖の観点から探ってきた.つまりこれまで細胞死は無秩序な現象と思われ,重要な研究対象とはなり得なかった.ところがアポトーシス(apoptosis)という新しい概念による細胞死が遺伝子によって巧妙に制御されていることが明らかになるにつれて,この分野の研究が爆発的に進展し,発生,分化および老化のみならずウイルス感染,自己免疫疾患,変性疾患あるいは癌など多くの疾患にアポトーシスが関与していることが明らかにされてきた.
本稿では現時点におけるアポトーシスの概念とその分子機構の概略を紹介した後,神経疾患におけるアポトーシスの関与を著者らの研究結果を交えて概説する.
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