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研究
術前脳波の多変量自己回帰解析による難治性てんかん手術効果の予測
著者: 秋山義典14 森和夫1 馬場啓至2 小野憲爾3
所属機関: 1浜松労災病院脳神経外科 2国立長崎中央病院脳神経外科 3長崎大学第二生理 4国立循環器病センター脳血管外科
ページ範囲:P.587 - P.593
文献購入ページに移動近年,わが国においても,難治性てんかんに対して外科治療ががなされるようになってきた.てんかんの外科治療は,大きく分けて,焦点切除術に代表される,てんかん焦点を除去する切除手術と,脳梁離断術に代表される,発作波の拡延を抑制する遮断手術とに分けられる.脳内電極や硬膜下電極などの留置電極を用いた長時間脳波記録装置の開発や,MRI,PET,SPECT,MEGなどの画像診断の進歩により,焦点の局在,発作の形式をかなり正確に診断し,手術適応あるいは手術方法を決定できるようになってきた.しかし,現在においても手術成功率は100%ではなく,術後も痙攣発作が十分にコントロールできない症例も認められる.このため,小野は,術前脳波の多変量自己回帰解析により,術後脳波のシミュレーションを行うシステムを開発した5,7,11,13).
今回われわれはこのシステムを用い,術前脳波より術後脳波の予測を行った.実際に手術施行した症例に対しては,術後記録された脳波と対比し,この手法が術後脳波を予測する手段となりうるかどうか検討したので,代表例を提示し報告する.
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