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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科23巻8号

1995年08月発行

文献概要

研究

頸動脈内膜剥離術の術前検査としての冠動脈造影の重要性

著者: 宇野昌明1 西谷和敏1 上田伸1 松本圭蔵1 生藤博行2 西角彰良2

所属機関: 1徳島大学脳神経外科 2徳島大学第2内科

ページ範囲:P.665 - P.670

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I.はじめに
 脳血管障害における脳梗塞の比率は近年本邦においても増加し,中でも頭蓋外頸動脈の病変によるものが増加しているといわれる22).われわれも頸動脈狭窄症に対して積極的に頸動脈内膜剥離術(以下CEA)を施行してきたが28-31),日本人の食生活が西洋化するに従って,頸動脈病変を有する症例が同時に冠動脈病変を有することも多く15-17,21,34),心筋虚血がCEA直後のpostoperative mortality上昇の原因となり,また長期follow-up中の死因で最も多いのは心筋梗塞であることをわれわれは指摘してきた30).欧米においては頸動脈病変と冠動脈病変の合併症例に対して,同時に手術をする症例もあり,またCEA症例の予後に冠動脈病変が関連するとする報告が早くからみられる2,4,6-8,11-14,18-20,23-26,32,33).しかし,本邦ではCEA症例に対して冠動脈造影を行って,冠動脈病変の評価を行う必要性について検討した報告は少ない21).われわれはCEAを行う症例に対して,術前に冠動脈造影を施行し,冠動脈の狭窄病変の科度と術前に見られた危険因子との関係,冠動脈病変に対する治療とCEA術後の予後などについて検討したので報告する

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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