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症例
高齢者(70歳以上)頭蓋咽頭腫の2手術例
著者: 関谷徹治1 伊藤勝博1 赤坂健一1 鈴木重晴1
所属機関: 1弘前大学脳神経外科
ページ範囲:P.699 - P.703
文献購入ページに移動頭蓋咽頭腫症例のほぼ半数は10歳前後の小児に好発するが,成人例も稀ではない5,23).しかし,70歳以上の高齢者頭蓋咽頭腫となるとその報告は稀である15,17,21,22,26-28,30).われわれが過去22年間に経験してきた頭蓋咽頭腫22例の中の最高年齢はこれまで56歳であったが,最近になって,79歳と74歳の高齢者頭蓋咽頭腫を相次いで経験した.このような現象は,近年の高齢化社会を反映しているとも考えられ,高齢者頭蓋咽頭腫について検討を加えておくことは意義のあることと考えられる.
これまでに小児頭蓋咽頭腫に関しては多くの知見の蓄積があるが,70歳以上の高齢者の頭蓋咽頭腫についての記載はまだ乏しい15,21,26-28,30).ここでは,特異な臨床経過を示した1例を含む高齢者頭蓋咽頭腫自験2例について文献的考察も交えて報告する.
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