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症例
クモ膜嚢胞に対し,Cyst-cisternal Shuntが有効であった複合脳奇形の1例
著者: 須賀俊博1 後藤英雄2 佐野光彦3 吉岡邦浩4 菊地憲一4
所属機関: 1釜石市民病院脳神経外科 2岩手県宮古病院放射線科 3盛岡友愛病院神経内科 4せいてつ記念病院放射線科
ページ範囲:P.717 - P.721
文献購入ページに移動われわれは,裂脳症,多小脳回症,異所性灰白質,透明中隔欠損症および右中頭蓋窩クモ膜嚢胞を合併した一例を経験した,裂脳症,多小脳回症や異所性灰白質は,胎生3-5カ月頃の神経細胞の移動期の障害と考えられている1-4,11-13)脳奇形の診断においては,解剖学的な描出に優れ,多方向断面も容易に得られ,信号の差により灰白質と白質の分離も良好なMRIは,診断に極めて有用な情報を与えてくれる1-4,11-13).
クモ膜嚢胞の手術には,嚢胞開放術および嚢胞腹腔シャントが行われているが,両手技の優劣には,結論が得られていない8-10).われわれは,当患者に対し,嚢胞開放術とともに,嚢胞内と悩底槽髄液腔をstraight sili—corle tubeで短絡したcyst-cisternal shuntを試み,良好な結果を得た.生体適合素材の開発により,優れたsili—cone tubeが供与されている現在7,8),cyst-cisternal shuntは,クモ膜嚢胞手術の第一選択となりうると考えられた.文献的考察を含め,報告する.
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