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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科23巻9号

1995年09月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

Meniere病に伴う難治性重症めまいに対する前庭神経切截術

著者: 甲村英二1 久保武2 早川徹1

所属機関: 1大阪大学脳神経外科 2大阪大学耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.767 - P.772

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I.はじめに
 歴史的には,第Ⅷ神経の切截術は20世紀初頭に脳外科医により後頭蓋窩経由で開始された.Meniere病の症状改善のためにFrazier2)が実施し,McKenzie9),Dandy1)がこれに続いた.McKenzie9)は選択的な前庭神経切断術(第Ⅷ神経上半部の切除)を公表している.当時の成績としては,めまい発作のコントロールは良好であったが顔面神経麻痺,聴力障害の合併などのため4),その後は本手術は余り実施されなかった.選択的第Ⅷ神経切截術の特長は聴覚を保存してめまい発作のコントロールが可能な点にある.手術用顕微鏡の導入後にこの特長を生かすことが可能となり,1960年代より主に耳鼻科医によって中頭蓋窩経由の前庭神経切断術が行われ,良好な成績が示された5).また1978年よりSilversteinは,合併症をより減じるためにretrolabyrin—thine approachによる前庭神経切断を実施している13).最近はアプローチはさらに後方へと移動し,retrosig—moid approachにより行われるようになっている15,17)
 Meniere病を中心とした内耳疾患にもとづくめまいのうちで,内科的療法によりコントロール不能な症例に対してわれわれの行っている手術を解剖を中心として解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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