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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科24巻1号

1996年01月発行

文献概要

連載 Functional Mappingの臨床応用—現状と展望・1【新連載】

Functional MRI:fMRIの信号機序とエコープラナ・イメージングによる脳機能の同定

著者: 成瀬昭二12 古谷誠一2 田中忠蔵3

所属機関: 1京都府立医科大学脳神経外科 2京都府立医科大学放射線科 3明治鍼灸大学脳神経外科

ページ範囲:P.7 - P.17

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I.はじめに
 本年は,核磁気共鳴現象(Nuclear Magnetic Reso—nance;NMR)発見の論文が発表されて50年目にあたる.X線とは異なり,NMRの本格的な医学応用は発見後25年以上たってから始められた.しかし現在では,磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging;MRI)法として,臨床の現場で広く活用されている.さらにNMRの持つ分析法としての優れた能力を活かし,生体の代謝,循環,機能などの解析に用いられつつある.中でも,MRIによるヒトの脳の機能部位を非侵襲的に画像化する方法(functional magnetic resonance imaging;fMRI)が可能となり,神経科学の領域で大きなトピックスになっている.それは,(1)非侵襲的検査である,(2)画像の空間分解能が高い,(3)測定の時間分解能が優れている,(4)繰り返し測定が可能である,(5)測定が簡易で誰にでも測定できる,(6)装置が特殊なものでない,など従来の脳機能画像法にはない大きな特長があるためである.しかも,脳の一次反応のみならず複雑な賦活法による高次の脳機能の評価も行われつつあり,非常な勢いで応用研究がなされつつある.ここではfMRIに関して,信号の機序,解釈,長所,問題点などを概説すると共に,超高速撮像法を含めて臨床装置によるfMRIの実例を述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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