文献詳細
文献概要
症例
浅側頭動脈・中大脳動脈吻合術後に出現した硬膜動静脈奇形の1例
著者: 伊賀瀬圭二1 岡芳久1 久門良明1 善家喜一郎1 岩田真治1 榊三郎1
所属機関: 1愛媛大学脳神経外科
ページ範囲:P.81 - P.85
文献購入ページに移動後頭蓋窩硬膜動静脈奇形(dural arteriovenous malfor—mation,以下dural AVM)は,Newton12)が“dural arte—riovenous malformation in the posterior fossa”として報告して以来,診断技術の進歩に伴い多くの報告がみられるようになって来た.しかしその発生機序に関しては先天的に存在していた動静脈吻合が発達したとする先天説と,外傷や静脈洞血栓により後天的に発生したとする後天説の2つの考え方があり,未だ結論を見ていない.また治療法に関しても外科的摘出術やembolizationなどが行われているが,現在も議論を呼ぶところである.
最近われわれは,浅側頭動脈—中大脳動脈(STA—MCA)吻合術を施行後,外頸動脈系の拡張とともにdu—ral AVMが出現した症例を経験したので,特にその発生機序について,文献的考察を加えて報告する.
掲載誌情報