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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科24巻10号

1996年10月発行

文献概要

総説

無症候性脳動脈瘤—その対応と問題点

著者: 齋藤勇1

所属機関: 1杏林大学脳神経外科

ページ範囲:P.875 - P.884

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I.はじめに
 最近の脳の人間ドック,いわゆる“脳ドック”の普及により無症候性脳血管疾患が極めて高頻度に発見されるようになり,その対応が問題になっている.外傷性疾患を除けば,あらゆる疾患は無症候性の時期があり,その大きさの増大,血管の破綻や閉塞に至って初めて症候性となり診断と治療が始められる.しかるに,疾患が無症候性のうちに早期発見を目指すのが人間ドックであり,MRIの普及に伴い脳疾患においても,無症候性のうちに脳動脈瘤を発見する試みが盛んになったわけである.最近の脳血管障害の分類でも,Table 1の如く,無症候性脳血管障害という疾患単位が独立し記載されるに至っている57)
 無症候性脳血管疾患は,Table 2に示すように,1.出血を起こす可能性のある,A.脳動脈瘤,B.脳動静脈奇形その他の血管奇形,2.脳血管の閉塞性変化で脳虚血を惹き起こす可能性のある,A.頸部頸動脈の狭窄—閉塞,B.脳白質の梗塞性病変,3.その他,に分類される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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