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症例
多彩な脊椎病変を合併した末端肥大症の1例
著者: 須賀俊博1 村上栄一2 石塚正人2 方宇壽楠3 吉岡邦浩4 佐野光彦5 細矢貴亮6
所属機関: 1釜石市民病院脳神経外科 2釜石市民病院整形外科 3釜石市民病院内科 4せいてつ記念病院放射線科 5盛岡友愛病院神経内科 6山形大学放射線科
ページ範囲:P.927 - P.932
文献購入ページに移動末端肥大症や巨人症では,四肢の骨・関節病変とともに脊柱変形を呈しやすく,診断基準副症状の一つに数えられている14).脊椎骨の肥大や脊柱管内の軟部組織の肥大による脊柱管狭窄症もよく知られているが3,9,15),椎間板ヘルニアや脊柱靱帯骨化症の合併は比較的少ない1,2,10,16).また,脊髄・脊椎の海綿状血管腫は,椎体骨よりの発生が大部分であり,硬膜外発生例は極めて稀である5,7).
われわれは,頸椎椎間板ヘルニア,胸椎の黄色靱帯および後縦靱帯の骨化症および硬膜外発生の海綿状血管腫,腰椎狭窄症などの多彩な脊椎病変を呈した末端肥大症の1例を経験した.四肢麻痺と対麻痺を,短期間のうちに相次いできたし,手術により軽快したが,このような例は極めて稀である.文献的考察を加え,報告する.
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