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症例
後頭蓋窩嚢胞を合併した脊髄空洞症の1例
著者: 若本寛起12 小林一夫1
所属機関: 1国立埼玉病院脳神経外科 2平塚市民病院脳神経外科
ページ範囲:P.939 - P.943
文献購入ページに移動脊髄空洞症は多くがキアリ奇形に合併し,その発生原因についてはGardner6)の報告以来,多くの研究と諸説が発表されているが,未だ解明には至っていない.しかしキアリ奇形における大孔部での髄液循環障害が脊髄空洞症の発生に関与している可能性は以前より指摘されており,実際にキアリ奇形を合併していない症例で,大孔部での髄液循環障害をきたすような後頭蓋窩病変を合併した脊髄空洞症の報告が散見される4,5,8,9).今回われわれは出生時外傷により発生したと思われる後頭蓋窩嚢胞を合併した脊髄空洞症の1例を経験し,嚢胞腹腔シャント術にて改善が見られたので,今までに報告された後頭蓋窩嚢胞を合併した脊髄空洞症の6例を含め,若干の文献的考察を加えて報告する.
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