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症例
急性硬膜下血腫を来した被虐待児症候群の3例
著者: 福井啓二13 安部智宏1 久門良明1 榊三郎1 藤田仁志2 畠山隆雄3
所属機関: 1愛媛大学脳神経外科 2愛媛県立伊予三島病院脳神経外科 3市立宇和島病院脳神経外科
ページ範囲:P.945 - P.948
文献購入ページに移動1946年アメリカの小児放射線医Caffeyが,小児の長管骨の異常な多発性骨折と硬膜下出血の合併する6例を発表し2),1962年にKempeがchild abuseによる特殊な外傷をbattered child syndrome(被虐待児症候群)として報告して以来9),本邦においても数多くの報告がなされている1,5,8,10-12).この被虐待児症候群においては,皮膚症状,骨折・脱臼,硬膜下出血,精神運動発達の遅滞,腹腔内損傷などの多彩な症状を呈するが,この中でも頭部外傷が予後に与える影響はきわめて大きい.今回われわれは急性硬膜下血腫を形成した被虐待児症候群の3症例を経験したので,その臨床経過を提示し,早期診断と患児・両親に対する早期治療の重要性につき報告する.
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