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研究
Three-dimensional CT angiography(3D-CTA)を用いた頸部内頸動脈狭窄性病変の評価と血行再建術
著者: 大滝雅文1 田邊純嘉1 上出廷治1 端和夫1
所属機関: 1札幌医科大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.995 - P.1002
文献購入ページに移動症候性あるいは無症候性の頸部内頸動脈高度狭窄症に対する頸動脈内膜剥離術(CEA)の効果については,最近欧米で相次いで行われたrandomized studyの結果,内科的治療と比較し有意にその後の脳虚血発作を減少させることが明かとなった5,10,17).そして脳循環障害をきたす70%以上の高度狭窄例ではCEAが最良の治療法であることは,すでに多くの施設でコンセンサスが得られている.本邦においても食生活の洋風化や高齢化にともなって,頸部内頸動脈の狭窄性病変は増加しつつあるといわれ,非侵襲的な診断機器の発展を背景とした脳ドックの普及により,今後無症候性病変を含めCEAの適応となる症例が増えるものと予想される.
われわれは脳動脈瘤や閉塞性脳血管障害の診断にスパイラルCT装置を用いたthree-dimensional CT angio—graphy(3D-CTA)を応用してきたが13,14),頸部内頸動脈の狭窄性病変についても,従来の脳血管撮影と比較し,かなり診断精度の高い画像が得られることを確認してきた15).本報告では,3D-CTAと脳血管撮影を対比し,3D-CTAの頸部頸動脈病変に対する1次スクリーニング検査への可能性について検討するとともに,高度狭窄性病変に対する手術プランニングや術後経過の観察方法として,3D-CTAの有用性について評価を加えた.
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