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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科24巻11号

1996年11月発行

文献概要

症例

Subtemporal approachでは到達できなかった後大脳動脈遠位部(P3 portion)動脈瘤の1例

著者: 西村俊彦12 福岡正晃1 小野雄弘1

所属機関: 1大樹会回生病院脳神経外科 2高知脳血管研究所・内田脳神経外科

ページ範囲:P.1011 - P.1014

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I.はじめに
 後大動脈(posterior cerebral artery,以下PCAと略す)のP3 portionに動脈瘤の発生する頻度は脳動脈瘤全体の0.3%であり,椎骨脳底動脈系の動脈瘤のうちでも3.1%と比較的まれな動脈瘤である17).この部の動脈瘤に対する手術到達法についてはこれまで十分には検討されていない.今回,くも膜下出血(SAH)にて発症し,subtemporal approachでは到達できなかった後大脳動脈P3 portion動脈瘤の1例を経験した.残念ながらCushing潰瘍からと思われる多量の消化管出血を術後にきたし,他のアプローチによる再手術の機会は与えられなかったが,今回のわれわれの経験は今後このまれな脳動脈瘤を治療する機会に遭遇する脳神経外科医にとって貴重な資料になると考え,同部位への手術到達法に関する文献的知見および考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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