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症例
中大脳動脈塞栓症に対するtransluminal angioplasty:硬い塞栓の血行再開に有用であった1例
著者: 渡辺美喜雄1 須賀俊博2 吉岡邦浩3 土肥守4 千葉明善1 小川彰4
所属機関: 1岩手県立釜石病院脳神経外科 2釜石市民病院脳神経外科 3せいてつ記念病院放射線科 4岩手医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.1027 - P.1032
文献購入ページに移動最近,超選択的に頭蓋内血管まで挿入できる2-3 Frのmicrocatheterの普及やtissue plasminogen activator(以下t-PAと略す)の使用が可能となり,脳塞栓症に対するlocal fibrinolysisが盛んに行われるようになり,比較的良好な結果が得られるようになってきた12,14).しかし,再開通率は約60%前後とされており,再開通を得られなかった例では,依然として予後不良である.
今回われわれは,重症虚血が推定された左中大脳動脈塞栓症の例に対して,t-PAを動注し再開通が得られなかったため,引き続き,micro-angioplastic balloonによるpercutaneous transluminal angioplasty(以下PTAと略す)を行った.塞栓は硬く,その圧砕に高いballoonの拡張圧を要したが,迅速に再開通を得て,症状の著しい改善を認めた.術後,末梢小血管への塞栓は合併したが,重篤な出血性梗塞は回避することができた.注意点などを文献的考察を含め報告する.
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