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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科24巻11号

1996年11月発行

文献概要

症例

Iotrolanによる脳症の1例

著者: 須賀俊博1 後藤英雄2 吉岡邦浩3 細矢貴亮4

所属機関: 1釜石市民病院脳神経外科 2岩手県立宮古病院放射線科 3せいてつ記念病院放射線科 4山形大学医学部放射線科

ページ範囲:P.1051 - P.1054

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I.はじめに
 ダイマー型非イオン性造影剤であるIotrolan(イソビスト®)は,現在,脳室・脳槽・脊髄造影に広く用いられている.従来使用されたモノマー型非イオン性造影剤のMetrizamide(アミパーク®)の髄腔内投与においては,重篤な副作用としての脳症の発生がしばしば報告されていた1,2,5,6,9,11,12,14).これに対し,Iotrolanは,種々の点に改良が加えられ,大幅に安全性が向上している.脳症や髄膜炎の発生は極めて稀であり,文献的にわずかに2例の報告をみるにすぎない10,13)
 今回われわれは,Iotrolanによるシャント造影施行同日夕より発熱,意識障害などを来たし,Iotrolan脳症と診断した例を経験した.加療により比較的急速に軽快した.文献的考察を含め,報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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