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症例
Rescue PTAおよびdeferred PTAによる段階的血管拡張が奏効した急性期頸部内頸動脈閉塞症の1例
著者: 須賀俊博1 渡辺徹雄2 渡辺美喜雄3 大和田雅信3 千葉明善3 吉岡邦浩4 細矢貴亮5
所属機関: 1釜石市民病院脳神経外科 2東北大学第二外科 3岩手県立釜石病院脳神経外科 4せいてつ記念病院放射線科 5山形大学放射線科
ページ範囲:P.1101 - P.1106
文献購入ページに移動脳梗塞急性期での経皮的血管形成術(percutaneous transluminal angioplasty:PTAと略す)の有用性を示す報告が散見されるようになってきた9,14-16).PTAには,血栓溶解療法成功後,残存狭窄に対するimmediate PTA,血栓溶解療法のみで再開通が得られない場合に迅速に再開通をはかるため行うrescue PTA,発症18時間から1週間の間に施行されるdeferred PTA,血栓溶解療法を併用しないdirect PTAなどがある2,4,15).
これまで頸部内頸動脈狭窄症に対するPTAの有用性の報告は多い5,6,11,12,16).これに対し,頸部内頸動脈閉塞症急性期においては,経皮的血栓溶解術や経皮的血管形成術が著効した報告がみられるものの9,14,15),再開通に伴う致死的出血性梗塞や頭蓋内血管への塞栓などの合併症の頻度が高く,むしろ禁忌とする報告もある3).特にgolden hourとされる6時間を越えれば,合併症の危険は非常に高くなる.
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