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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科24巻12号

1996年12月発行

文献概要

症例

Hematomyeliaの形成過程をMRIによって経時的に追跡し得た脊髄髄内海綿状血管腫:組織学的にhematoidin沈着を認めた手術例

著者: 長島親男1 増田俊和2 長島律子1 榎本京子3 渡部恒也3 森田仁士2 高浜素秀4

所属機関: 1埼玉医科大学脳神経外科 2ヘリオス会病院脳神経外科 3埼玉医科大学放射線科 4埼玉医科大学第二病理

ページ範囲:P.1125 - P.1132

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I.緒言
 脊髄髄内の海綿状血管腫(cavernous angioma,CA)はmagnetic resonance imaging(MRI)で特徴的な所見を示すことが知られている1-4,6,9).すなわちT2強調画像におけるCA中心部の高あるいは高・低混合信号域とCA周辺部の低信号域が特徴的であり,これは時期を異にする出血によるもので中心部の信号は主としてmethemo—globin,周辺部の信号はhemosiderinによるとされている1-4,6,9,16-19,23-29).したがってCA周辺の小量の出血は普通にみられるが,周辺から次第に進展してCAから離れた髄内の比較的広い範囲にhematomyeliaを合併することは稀である12-14,21,22).著者らは胸椎10レベルのCAの症例でCAからの血液が神経線維の間隙を連続的に移動して腰膨大部から脊髄円錐におよぶhematomye—liaを作ったと推論される症例を経験し,その形成過程をMRIにて経時的に追跡し,興味ある知見を得た.さらに摘出標本にはVirchow’s crystalとして知られているヘマトイジン7,10,11)の沈着を認めた.このような報告はいまだみられないので以下に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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