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研究
ラトケ嚢胞の臨床病理学的検討:MRIにおける嚢胞壁のエンハンス効果と病理組織所見の関連について
著者: 丹羽潤13 田邊純嘉1 伊林至洋1 端和夫1 佐藤昌明2
所属機関: 1札幌医科大学脳神経外科 2札幌医科大学付属病院病理部 3市立函館病院脳神経外科
ページ範囲:P.125 - P.133
文献購入ページに移動MRIの進歩によりラトケ嚢胞が稀ならず見つかるようになって以来,種々の信号強度を呈する嚢胞内溶液については多くの検討がなされているが,嚢胞壁についての検討は少ない6,8,15).報告例の中にはGd-DTPAで嚢胞壁がエンハンスされたとの記載があるものの,神経放射線学的にも病理組織学的にもエンハンスの意味については検討されていない2,11).
病理組織学的にみるとラトケ嚢胞の嚢胞壁は一層の円柱上皮から構成されているが,時にこれに連続して重層扁平上皮を有することも稀ではないと報告されている5,16).またラトケ嚢胞に下垂体腺腫を合併していたとの報告もある14).
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