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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科24巻2号

1996年02月発行

文献概要

研究

外側後頭下到達法の手術アプローチに影響を及ぼす後頭蓋窩の形状:骨条件CTによる検討から

著者: 山上岩男1 山浦晶1 小野純一1 中村孝雄2

所属機関: 1千葉大学脳神経外科 2加曽利病院脳神経外科

ページ範囲:P.157 - P.163

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I.はじめに
 外側後頭下到達法は,小脳橋角部腫瘍をはじめとする多くの疾患に用いることのできる,優れた手術法である.外側後頭下到達法による聴神経腫瘍の手術に関連して,小脳橋角部や内耳道近傍の微小解剖について,詳細な検討が行われてきた1,2,5,8).しかし,外側後頭下到達法の手術アプローチに関連して,後頭蓋窩の形状の重要性について検討した報告はみあたらない.われわれはこれまで,聴神経腫瘍をはじめとする多くの症例に,外側後頭下到達法を用いてきた.その経験から,内後頭稜の発達の程度,側頭骨錐体後面の形状,および錐体後面のなす角度(“petrous angle”)の3つは,それぞれ個体差も大きく,外側後頭下到達法の手術アプローチに影響を及ぼす後頭蓋窩の形態的特徴として,とくに重要であると考え,術前にこれらの形態的特徴をとらえ,手術法の選択や手術手技に工夫を加えてきた.今回,後頭蓋窩の形状をあらわすこれら3つの形態的特徴の重要性を明らかにする目的で,小脳橋角部腫瘍40例における後頭蓋窩の骨条件CT画像を検討し,3つの形態的特徴が,外側後頭下到達法による手術に及ぼす影響と,その対策について考察を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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