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総説
頸椎後縦靱帯骨化症の病態と外科的治療法
著者: 中川洋1 水野順一1
所属機関: 1愛知医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.205 - P.210
文献購入ページに移動I.はじめに
後縦靱帯骨化症(ossification of the posterior longi—tudinal ligament:OPLL)は,わが国において脊髄症を起す主要な疾患の1つであり,臨床的にも重要な疾患である.本疾患は1960年に月本26)により本邦における剖検報告がなされて以来,諸家の注目を集め数多くの報告がされてきている1,15,23,27).これらの報告はその殆どが日本からのものであったが,欧米における発生例もいくつか散見され2,4),必ずしもわが国のみに特有な疾患というわけではない.
本疾患は臨床上の明確な位置付けに比べてその病態生理,すなわち後縦靱帯に何如なる機序において骨化が起り,どのような骨化促進因子が存在するのかといった点は未だ不明のままである.この点を含めてOPLLの診断,治療の向上のために1975年より厚生省班会議が発足し,現在に至るまで各分野において活発な研究がなされている.
後縦靱帯骨化症(ossification of the posterior longi—tudinal ligament:OPLL)は,わが国において脊髄症を起す主要な疾患の1つであり,臨床的にも重要な疾患である.本疾患は1960年に月本26)により本邦における剖検報告がなされて以来,諸家の注目を集め数多くの報告がされてきている1,15,23,27).これらの報告はその殆どが日本からのものであったが,欧米における発生例もいくつか散見され2,4),必ずしもわが国のみに特有な疾患というわけではない.
本疾患は臨床上の明確な位置付けに比べてその病態生理,すなわち後縦靱帯に何如なる機序において骨化が起り,どのような骨化促進因子が存在するのかといった点は未だ不明のままである.この点を含めてOPLLの診断,治療の向上のために1975年より厚生省班会議が発足し,現在に至るまで各分野において活発な研究がなされている.
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