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研究
Splenius typeの痙性斜頸に対するBertrand's Selective Denervationの経験
著者: 平孝臣1 川島明次1 河村弘庸1 谷川達也1 臼田頼仁1 佐々木寿之1 高倉公朋1
所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科
ページ範囲:P.221 - P.226
文献購入ページに移動痙性斜頸に対する外科的治療には,定位的視床手術,神経血管減圧術,末梢神経破壊術などがあるが,これらの適応や効果については議論が多い.痙性斜頸の多くは副神経支配の胸鎖乳突筋や僧帽筋だけでなく脊髄神経支配の頭板状筋などの頸筋群の異常を伴っており,胸鎖乳突筋単独の異常は例外的である4,5,10).末梢神経破壊術に関しては,硬膜内操作で上位頸髄神経前根を切断するFoerster-Dandyの手術6,9)がよく知られている.しかし前根を切断した場合,前頸筋群や肩甲挙筋などの脊髄神経外側枝の支配を受ける筋群にも影響が及ぶために,術後の頸部運動障害,腕の挙上障害,嚥下障害などが高率に発生する9,12).また,この手術では横隔神経麻痺を避けるためにC4以下の前根は切断しない.このためC4—C6脊髄神経からも支配を受ける頭板状筋や頭半棘筋などの後頸筋群に対するdenervationが不十分となる.筆者らは板状筋が症状発現にもっとも関与したと考えられる痙性斜頸の症例に対して,C1からC6の脊髄神経後枝を硬膜外で選択的に離断するBertrand's SelectiveDenervation2-4)を行い良好な結果を得たので報告するとともに,この手術の留意点について考察する.
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