文献詳細
研究
文献概要
I.はじめに
近年,聴神経鞘腫摘出術において術中顔面神経の保存はほとんどの例で可能であり,また術後の機能予後についても比較的満足すべき結果が得られている.さらに最近では,聴覚の温存が図られるようになってきた11).実際手術に際して,蝸牛神経の解剖学的な連続性を温存することは必ずしも困難なことではない.しかし,術後実用聴力を維持できる例は少なく,むしろ聴力が消失しているにもかかわらず,頑固な耳鳴に悩ませられる症例を経験する.
本報告では過去の聴神経鞘腫例において,手術前後の第8脳神経機能,特に聴力と耳鳴に焦点をおいて検討し,術中蝸牛神経の温存を図るべき症例の特徴を明らかにしたい.
近年,聴神経鞘腫摘出術において術中顔面神経の保存はほとんどの例で可能であり,また術後の機能予後についても比較的満足すべき結果が得られている.さらに最近では,聴覚の温存が図られるようになってきた11).実際手術に際して,蝸牛神経の解剖学的な連続性を温存することは必ずしも困難なことではない.しかし,術後実用聴力を維持できる例は少なく,むしろ聴力が消失しているにもかかわらず,頑固な耳鳴に悩ませられる症例を経験する.
本報告では過去の聴神経鞘腫例において,手術前後の第8脳神経機能,特に聴力と耳鳴に焦点をおいて検討し,術中蝸牛神経の温存を図るべき症例の特徴を明らかにしたい.
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