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研究
非出血発症椎骨動脈解離性動脈瘤の経時的血管撮影による検討
著者: 秋山義典12 伊藤毅1 熊井潤一郎1 岩室康司1 三宅英則1 西川方夫1
所属機関: 1浜松労災病院脳神経外科 2国立循環器病センター脳血管外科
ページ範囲:P.443 - P.449
文献購入ページに移動従来,椎骨動脈解離性動脈瘤は,稀な疾患とされてきたが,近年わが国を中心に多くの報告がなされるようになってきた1-10,12,14-16).椎骨動脈解離性動脈瘤は,発症形式により,くも膜下出血をきたす出血発症例と,非出血発症例とに分けられる.それぞれの頻度,予後,治療などについて多くの報告がなされているが,未だ一定の見解は得られておらず多くの問題点が残されている.特に,非出血例に対しては,出血例に比べ報告例も少なく詳しい検討がなされていないように思われる.今回われわれは,7例の椎骨動脈解離性動脈瘤を経験したが,うち6例は非出血発症例であった.これら6症例に対して経時的に血管撮影を施行し経過観察したので,症例を提示すると共に,非出血発症の椎骨動脈解離性動脈瘤の頻度,診断,治療,予後,自然経過等につき,文献的考察を加え報告する.
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