文献詳細
文献概要
症例
大脳鎌髄膜腫摘出約4年半後に完全対麻痺をきたした胸髄髄膜腫の1例
著者: 須賀俊博1 永山徹1 村上栄一2 吉岡邦浩3 佐野光彦4 後藤英雄5
所属機関: 1釜石市民病院脳神経外科 2釜石市民病院整形外科 3せいてつ記念病院放射線科 4盛岡友愛病院脳神経内科 5岩手県立宮古病院放射線科
ページ範囲:P.567 - P.572
文献購入ページに移動頭蓋内での多発性髄膜腫の頻度は,諸家により1—9%と報告されており,また,autopsyによれば,16%にも達するとされている5).これに対し,頭蓋内髄膜腫と脊髄髄膜腫の合併例は,極めて稀である.文献的にも15例の報告を見るにすぎない1-5,7,10,14,16,19-21,23).
今回われわれは,右前頭葉大脳鎌髄膜腫摘出から4年半後に胸髄髄膜腫による完全対麻痺をきたした高齢者例を経験した.幸い,胸髄髄膜腫摘出により,独歩可能なまでに回復した.このような頭蓋内および脊髄髄膜腫の合併例の特徴および重症脊髄障害の予後判定に関して,文献的考察を含め,報告する.
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