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研究
破裂前交通動脈瘤直達手術(大脳半球間裂法)による嗅覚障害の検討
著者: 伊藤誠康1 藤本俊一1 斎藤和子1 多田博史1 田中輝彦1
所属機関: 1青森県立中央病院脳神経外科
ページ範囲:P.625 - P.628
文献購入ページに移動前交通動脈瘤に対する直接手術法としては,Yasar—gil9)(1969)のfrontobasal lateral approachとLougheed4)(1969)のinterhemispheric approach(IH)が基本的な方法であり,各施設でそれぞれの工夫が行われている.われわれの施設では,1969-94年にかけて総数450例の前交通動脈瘤直達手術が行われ,うち434例(96.4%)がIHの症例であった.1979年までは主として,Pool5)(1961)の原法を鈴木3)が工夫開発したbifrontal cranio—tomy,subfrontal and interhemispheric approach(SIH)にて行い,一方1980年からは,現在われわれが行っている,いわゆるposterior interhemispheric approach(PIH)を用いてきた.一般に,IHは習熟を要する比較的困難な手術手技とされており,伴い易い後遺症の1つとして嗅覚障害があげられる.われわれは,SIH及びPIHによる前交通動脈瘤手術症例において,術後anos—mia発生の原因と発生率を検討したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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