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症例
特発性頸動脈海綿静脈洞瘻に対する塞栓術後に発症した網膜中心静脈閉塞症
著者: 深見忠輝1 五十棲孝裕1 椎野顯彦1 中澤拓也1 松田昌之1 半田譲二1
所属機関: 1滋賀医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.749 - P.753
文献購入ページに移動特発性頸動脈海綿静脈洞瘻(CCF)の治療として,血管内手術が用いられることが多くなったが,塞栓術後に網膜中心静脈閉塞症(CRVO)を併発し,視力障害をきたすことがある.一旦CRVOをきたすと,その後の経過が不良であることから,塞栓術によるCRVOを未然に防ぐ必要がある.また,CRVOをきたした際には,早期に治療を開始することが重要で,そのためには視力障害の原因を早期に鑑別診断する必要がある.今回われわれは,CCFに対する血管内手術による海綿静脈洞の閉塞後に,対側の外転神経麻痺と視力障害が出現し,流入動脈の再疎通によるCCFの増悪とCRVOによる症状の悪化の鑑別を必要とした症例を経験した.
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