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症例
「頸静脈球高位」の1例:画像診断および鑑別診断について
著者: 村尾昌彦1 小嶋寛興1 竹村信彦1 土田富穂1
所属機関: 1都立墨東病院脳神経外科
ページ範囲:P.755 - P.758
文献購入ページに移動頸静脈球は,sigmoid sinusが内頸静脈に移行する部分であり,その上縁はドーム状を呈して通常は鼓室底の下方に位置するが,頸静脈球の上端が鼓室底より高い位置に存在し,鼓室底の骨層の菲薄化や骨欠損を伴い鼓室内に突出したものは,頸静脈球高位と称されている.解剖学的頻度は,Subotic18)らの報告では3.55%,Over—ton13)らによれば6%と,決して稀なものではないが,臨床的には1890年のLudwig11)の記載以来43例の報告があるのみである.
今回われわれは,難聴,眩暈で発症しCT,MRI,MRA,断層X写真,脳血管撮影等により,頸静脈球高位外側型と診断した症例を経験したので,脳神経外科領域としては稀なこの疾患の画像診断,鑑別診断について報告する.
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