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連載 Functional Mappingの臨床応用—現状と展望・8
PETによる脳機能マッピング
著者: 伊藤正敏1 長沢治夫2 高橋弥穂3
所属機関: 1東北大学サイクロトロンRIセンター核医学研究部 2東北大学神経内科 3東北学院大学脳神経情報学
ページ範囲:P.779 - P.783
文献購入ページに移動ポジトロン断層法を用いて,脳の血流量,エネルギー消費量,神経受容体分布等を人で非侵襲的にかつ三次元的画像情報として定量できる.脳の活動は,エネルギー消費を伴うため18F又は,11Cで標識したブドウ糖を標識薬剤として用いることでこれらのトレーサーの取り込みの増大として脳活動部位を検出できる.しかしながら,18Fの放射性壊変による半減期は,110分,11Cでは20分と比較的長く繰り返し検査に適当でない,15Oは,半減期2分と適当であるが,複雑な標識過程を経ることができず,H215O,15O2等の簡単な化合物としてそれぞれ脳血流量の測定,酸素消費量の測定に利用される.このうち,脳血流量は,ほぼ,ブドウ糖消費量に相関することが証明され1),PET脳賦活試験では,もっぱら,脳血流量の変化をもって,脳活動の指標としている.本報告では,PETによる脳血流測定法に限定し,これを脳高次機能の解析に用いる手法を中心に若干の研究結果について述べる.
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