文献詳細
文献概要
総説
外傷性脳血管攣縮
著者: 種子田護1
所属機関: 1近畿大学脳神経外科
ページ範囲:P.785 - P.793
文献購入ページに移動I.はじめに
頭部外傷後に脳血管撮影を行うと,しばしば血管攣縮が発生していることを発見する.この現象は古くからよく知られており,血管撮影で脳血管攣縮を確認した臨床例の報告があい続いたのは1960年代に溯る8,17,35,72).それ以前にも,動物実験では機械的刺激で脳動脈がその大小に関わらず攣縮をおこすことが知られており,手術中に脳血管を触れることによってその部位が収縮する現象も報告されている9,11,16,24,51).
このように,外傷性脳血管攣縮の存在は周知の事実であるが,その臨床的意義については不明なところが多い.脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血に起因する脳血管攣縮が臨床経過に著しい悪影響をもたらすことが明かであるのとは対照的である.
頭部外傷後に脳血管撮影を行うと,しばしば血管攣縮が発生していることを発見する.この現象は古くからよく知られており,血管撮影で脳血管攣縮を確認した臨床例の報告があい続いたのは1960年代に溯る8,17,35,72).それ以前にも,動物実験では機械的刺激で脳動脈がその大小に関わらず攣縮をおこすことが知られており,手術中に脳血管を触れることによってその部位が収縮する現象も報告されている9,11,16,24,51).
このように,外傷性脳血管攣縮の存在は周知の事実であるが,その臨床的意義については不明なところが多い.脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血に起因する脳血管攣縮が臨床経過に著しい悪影響をもたらすことが明かであるのとは対照的である.
掲載誌情報