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ウサギ脳におけるlinac stereotactic irradiation後の脳血流動態及び病理組織学的変化
著者: 大塚隆嗣12
所属機関: 1東邦大学脳神経外科 2東邦大学大森病院脳神経外科
ページ範囲:P.801 - P.807
文献購入ページに移動最近,脳動静脈奇形及び転移性脳腫瘍など一部の脳腫瘍に対して積極的にradiosurgeryが行われ,その有効性が多数報告されている10,20).この照射方法は,線量の集中度が極めて高く,周囲正常脳組織への影響が極めて少ない点が最大の特徴であるが,その適応と照射方法は,照射線量及び照射範囲の検討のみならず正常脳への影響を総合して判定する必要があり,その意味でradiosurgeryの正常脳に対する影響を検討することは,非常に重要であると思われる.しかし,従来の分割照射法に伴う放射線脳障害の解明が進むなかで,radiosur—geryに伴う脳障害については,現在までに一部の臨床例における報告6,12,21,25),あるいはマントヒヒ1,9),ラット7),ウサギ5)及びネコ18,19)を使用した動物モデルにおける主としで慢性期の病理組織学的な検討が行われているにすぎない.そこで,われわれはウサギを用いた照射モデルを作製し,dynamic CT(D-CT)で得られるパラメーター値の変動と,病理組織学的所見の両者を検討することで,linac stereotactic irradiation後の脳血流動態の変化及び,その原因について検討した.
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