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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科24巻9号

1996年09月発行

文献概要

読者からの手紙

圧可変式シャントシステム:前胸部設置およびMedos valve systemについて

著者: 須賀俊博1 多田宗行2 佐々木順一3

所属機関: 1釜石市民病院脳神経外科 2釜石市民病院放射線科 3釜石市民病院手術部

ページ範囲:P.865 - P.865

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 本誌24巻1号41-45頁の布施孝久先生の論文“圧可変式シャントシステム(Sophy):バルブの前胸部設置における問題点”を,興味深く拝見いたしました.われわれも,転倒による頭部外傷の結果,Sophy valve設置部の皮膚断裂及びvalveの露出を経験以来,前胸部設置を行っています.その利点も,①頭部MRI検査時のarti—factの軽減,②平坦な胸部での圧確認が容易,③設置用皮下pocketの作成が容易との布施先生の御意見に賛成であります.さらに,④外傷からの防御,⑤圧変更や設定圧の確認がレントゲンで必要な場合,撮影が容易な点が挙げられます.
 近年われわれは,Sophy valveにかえて,Medos valve(Codman社製)を多用しています.そのMedos valveには,①長径20)mm短径16mmの円形であるSo-phy valveに対し,Medos valve自体は,長径は37mmであるものの短径7mmの円筒形で,皮下pocketの形成も容易で,設置後も目立たない,②Magnetの回転によるSophy valveの圧変更には,慣れやtechniqueを要するのに対し,Medos valveでは,programmerにより,容易で瞬時に変更できる,③圧設定が数値化でき,記載や伝達に誤解が生じない,④レントゲン下での設定圧確認が容易で,FCR併用によりさらに容易となる(Fig.)など,Sophy valveを上回る利点があります.So-phy valveの回転による急性閉塞は,私たちにも経験があり,重篤な状態に陥いる合併症である.その原因として,皮下pocketが大きすぎたこと,Sophy valveが円形で,回転しやすいことが考えられたが,Medos valveでは,この合併症は経験していません.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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