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解剖を中心とした脳神経手術手技
深部および機能的重要領域におけるグリオーマの手術:機能的マッピング,術中モニター,ナビゲーションの応用
著者: 松本健五1 富田享1 大本堯史1
所属機関: 1岡山大学脳神経外科
ページ範囲:P.17 - P.28
文献購入ページに移動深部および機能的重要領域におけるグリオーマの手術を行う際,種々の事項を念頭において手術に臨む必要がある.脳腫瘍手術,特にグリオーマの手術の原則は,手術により患者の症状を悪化させず,神経機能を温存することを前提として,その条件下で可能な限り多くの腫瘍組織を切除することであろう.しかしながら,グリオーマは脳実質内に浸潤性に発育する腫瘍であることから,腫瘍の摘出は腫瘍とともに脳組織を切除することを意味し,他の腫瘍に比し局所神経機能の脱落の危険性が高い10,49,56).それゆえに手術計画を立てる際,腫瘍の性質,解剖学的局在(発生部位,進展範囲,浸潤性発育の程度)と隣接する脳の機能局在を画像から明らかにし,術前の神経症状,疾患の全体像,すなわち予測される予後や再手術の可能性も考慮し,腫瘍の切除範囲を決定することが極めて重要であり,さらにそれらを手術にいかに反映させるかが問題となる.
的確な腫瘍の摘出を行うためには正確な術中の解剖学的オリエンテーションはもとより,精密な機能解剖相関の把握とそれに基づいたナビゲーション,手術操作が要求される.機能解剖相関の把握には機能的マッピング,術中モニターの応用などが,またナビゲーションには種種の機器が,それぞれ工夫されている24,36).
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