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研究
Transcranial Doppler法による頸部頸動脈狭窄病変由来の微小塞栓の検索
著者: 秋山義典13 坂口学2 善本晴子2 長束一行2 戸高健臣1 野村素弘1 澤田元史1 森本将史1 山本聡1 橋本信夫1
所属機関: 1国立循環器病センター脳血管外科 2国立循環器病センター内科脳血管部門 3国立循環器病センター脳神経外科
ページ範囲:P.41 - P.45
文献購入ページに移動頸部頸動脈狭窄病変は近年わが国においても増加傾向にあり,脳卒中の病因として注目されるようになってきている9).頸部頸動脈狭窄病変による脳卒中発生の機序として,脳血流の減少による脳血流不全と,狭窄病変が塞栓源となるという2つのメカニズムが考えられている.脳血流不全に関してはSPECT,PETなどの脳血流検査により評価がなされてきたが,塞栓発生のメカニズムに関しては,狭窄病変の形態,すなわち潰瘍の有無や血栓の付着などの間接的な所見から困果関係が推測されてきたにすぎない.しかし,近年Transcranial Doppler(以下TCD)を用いて微小塞栓を直接検出することが可能となってきた.今回われわれは,TCDを用いて頸部頸動脈狭窄病変由来の微小塞栓の検索を施行し,この方法による微小塞栓の検出と脳梗塞との関連につき検討したので報告する.
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