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症例
モヤモヤ病疑診例(片側性)から確診例(両側性)へ移行し,急激な悪化を示した1成人例
著者: 藤原史利13 山田洋司1 林成人1 玉木紀彦2
所属機関: 1長尾病院脳神経外科 2神戸大学脳神経外科 3朋生会長尾病院脳神経外科
ページ範囲:P.79 - P.84
文献購入ページに移動モヤモヤ病の成因はいまだ不明であるが,脳血管撮影で両側内頸動脈終末部の進行性閉塞性病変と脳底部の異常血管網を示すものが確診例と診断され,一側性病変のみをしめすものは疑診例とされている6).モヤモヤ病の成人例において一側性病変から両側性病変への進行は極めて稀であるとされ,その経過が確認された報告例も少ない1,7,14).今回われわれはモヤモヤ病成人例において,発症後4年間で一側性の閉塞性病変が両側性病変へ進行し,急速な悪化を示し死亡に至った1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
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